理事長挨拶
このたび、一般社団法人日本リンパ腫学会の理事長を拝命いたしました竹内賢吾です。歴史ある本学会の運営を担うこととなり、その責任の重さを感じるとともに、会員の皆様と力を合わせ、学会のいっそうの発展に努めてまいりたいと考えております。
本学会は、1961年に「日本網内系学会」として発足、「日本リンパ網内系学会」を経て、2024年に「日本リンパ腫学会」へと改称しました。研究の深みや診療の枠組みが大きく変化するなか、常に時代の課題に向き合いながら進化してきた学会です。その歩みの根底には、病態を深く理解することで、より正確な診断とより良い治療を具現化し、患者さんに還元したいという一貫した思いを抱いてきました。
リンパ腫は単一の疾患ではありません。多くの疾患単位を含み、その分類、診断、そして治療は、組織・分子病理学、免疫学,分子生物学、ゲノム解析、画像診断、臨床研究などの進歩とともに急速に変化しています。新たな治療法が次々に登場する現在、適切な治療を患者さんに届けるためには、精度の高い診断がこれまで以上に重要です。日常診療のなかで得られる注意深い観察や問いは、新しい研究、ひいては新しい診断法や治療法開発の出発点となります。実地診療に学び、研究することによって実地診療をさらに前進させる。実地診療に科学を意識し、科学に実地診療を意識することによって、リンパ腫の診療と研究を大きく前進させることが本学会の重要な役割です。第66回学術集会のテーマ、Lymphoma Forward: Science in Practice, Practice in Scienceの精神でいきたく思います。
本学会の大きな特色は、血液内科医、病理医、放射線科医をはじめ、基礎研究者、臨床研究者、臨床検査技師など、多種の医療関係者が専門領域の垣根を越えて議論しあうところにあります。学術集会、教育セミナー、全国調査、血液病理認定医制度、学会誌 Journal of Clinical and Experimental Hematopathology などを通じて、診療と研究の基盤をさらに充実させていきたく思います。国内の関連学会・研究会との連携を深めるとともに、アジアをはじめとする海外の研究者との交流も一層推進したいと考えております。
同時に、次の時代を担う若い医師、研究者、医療関係者が、新しい課題に挑戦し互いに学び合うことのできる場を整えることも重要です。完成された知識を共有することにとどまらず、未解決の問題を自由に議論し、新しい発想が生まれる学会でありたいと考えています。
これまで本学会を築いてこられた諸先輩方の歩みを大切にしながら、変化を恐れず新しい時代にふさわしい日本リンパ腫学会を会員の皆様とともにつくってまいります。
今後とも、皆様のご支援とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
2026年6月
一般社団法人 日本リンパ腫学会
理事長 竹内 賢吾